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前田邦彦

前田 邦彦
(まえだ くにひこ)

シニアコンサルタント
ビジネスコンサルタントとして、大手企業の情報・ナレッジを切り口とした業務改革プロジェクトに参画。主に、金融業界の情報流通改革、情報共有・活用に精通している。

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本社・本部と現場間の情報流通改革
~ 大手金融機関事例に学ぶ、最適な情報の活用(アクセル)と統制(ブレーキ)を実現する「情報マネジメント」とは ~

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シニアコンサルタント
前田 邦彦

 営業等の現場では、限られた時間の中で社内にある膨大な情報の中から必要な情報を探し出し、商品・サービスの業務を効率的に処理し、顧客への提案の品質を上げ、さらにコンプライアンスを守る正確さが求められている。
 本稿では営業現場における業務の「効率」と「質」の向上を目的とし、企業の最適な情報の活用(アクセル)と統制(ブレーキ)を実現する「情報マネジメント」の確立手法を、大手金融機関の事例を交えて解説する。

劇的なビジネス環境の変化

 現在のビジネスにおいて、あらゆる「情報」の活用がいかに重要であるかは言うまでもないことだろう。情報は企業の最大の資産とも言われており、情報の活用度が企業の業績に大きく影響する。GoogleやAmazonなどは圧倒的な量の情報を体系的に提供することにより、その地位を確立した。1990年代後半からのITシステムの導入ブームにより、各社がERP、CRM、SFA等のシステムを検討・導入し、顧客情報や業務推進情報をいかに管理・活用するかを模索した。また、活用を促進しようとする一方、情報セキュリティ強化、個人情報保護法の施行などによる情報の統制もしなければならなくなった。

 今回、紹介する大手金融機関では、ビジネスの潮流による変化に加えて、金融業界特有の環境変化も著しかった。「金融ビッグバン」による取り扱い金融商品の増加、「金融商品取引法」の施行によるコンプライアンスや内部統制への対応があり、業務は大幅に増加し、複雑化していた。そして、業務の増加・複雑化に比例して、業務で使用する情報もさらに増加し、内容も難解になっていた。

営業現場における、情報活用と統制に関する4つの問題点

問題点(1)発信者視点で情報が整理されており、情報へのアクセスが悪い

 営業現場の社員が商品やサービスの事務手続きをするために必要な情報を集めようと思ったら、「マニュアル」はマニュアル管理システムを探して、「書式」は文書管理システムの主管部のフォルダ内、「留意点」があるかもしれないので通知・通達システムも探す。というように事務手続きをひとつ処理するにも、様々な場所を探さなくてはならない。もし、さらに「関連情報」が隠れていた場合はもうお手上げである。
 情報の発信者が管理しやすいように掲載場所を決めているため、利用者はどこにどんな情報があるかを把握しにくい。このように発信者視点で情報を整理しているケースはとても多い。結果として、営業現場では必要な情報を揃えるだけで多くの時間を費やしてしまっている。

問題点(2)必要な人に必要な情報が届かない

 通知・通達の目的は、営業現場に周知徹底事項を伝えること。例えば、事故につながるような事案は速やかに伝達しなければならない。一方、営業現場では毎日、大量の通知・通達を受信しており、内容は自分に関係ないものや重要度が低いものばかり。たとえ重要かつ自分に関係がある情報でも難解で分かりにくいため、理解するのに時間がかかる。
 営業現場では、じっくりと通知・通達を読む時間を十分に確保できるものではない。そのため、タイトルで判断し、自分に関係がありそうなもので重要と思われる情報のみを読んでいるケースが多い。そのため、全員必読とされている通知・通達ですら、情報の伝達ができていない。

問題点(3)情報を管理するルールがないため、陳腐化した情報が大量に残っている

 欲しい情報を探して検索システムで検索したら、古い情報ばかりがヒットする。また、同じようなタイトルの情報がいくつもあり、どれが欲しい情報の最新版なのか分からない。
 情報を管理するルールがないため、陳腐化した情報の破棄を情報発信者に任せているケースが多い。情報発信者も「まだ誰か使っているかも」と思ってしまい、情報を削除できない。こうして大量の不要な情報に、有用な情報が埋もれてしまい、活用が進まない。さらには古い情報で業務を行ったために、トラブルが起こるという、統制の面の大きな問題も潜んでいる。

問題点(4)有用な情報が活用されない

 情報発信者が多くの時間をかけて、営業現場の提案の質の向上や業績向上につながるような有用な情報を発信しているのだが、利用者の個々人で活用度に差があるため、十分に活用されない。その活用度の差が業績の良い人と普通の人を隔てている。


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