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村田聡一郎

村田 聡一郎(むらた そういちろう)

執行役員コンサルティンググループ担当
外資系IT企業勤務、米国本社駐在を経てAbalanceに参画。ビジネスコンサルタントとして、国内外の大手企業における情報共有基盤の構築・整備に参画。ITと非IT施策を融合させた「現場が楽になる情報共有」の実現に強みを持つ。

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ビジネス・プロダクティビティ研究会
~ クラウド時代に備えた、SharePointユーザーのコミュニティ ~

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執行役員コンサルティンググループ担当
村田 聡一郎

 Abalanceでは2009年10月、ビジネス・プロダクティビティ研究会(以下、BP研究会)を立ち上げた。その背景には、「情報系システムはそもそも他社との情報交換のニーズがある」こと、「SharePointという時代を変える製品の登場」に加え、EUC化とクラウド化によって引き起こされる「情報システム部門の役割の構造的な変化」がある。
BP研究会はこうした時代の要請に応え、SharePointユーザーによるSharePointユーザーのためのナレッジ・コミュニティとして発展していくことを目指す。


BP研究会立ち上げ例会1 2009年10月15日(木)、東京・新宿において、ビジネス・プロダクティビティ研究会(以下、BP研究会)の立ち上げ例会が開催された。マイクロソフトのSharePoint Server(以下、SharePoint)を全社的な情報共有インフラとして利用している大手企業22社(うち欠席3社)から28名が参加し、熱のこもったディスカッションが繰り広げられた。

BP研究会がなぜこのように大きな関心を集めているのだろうか?主に下記の3つの要素があると思われる。

(1).SharePointのような情報系システムの分野では、もともと「ユーザー企業どうしの情報交換会」が効果的

(2).SharePointという「時代を変える」製品の登場

(3).EUC化とクラウド化によって引き起こされる、情報システム部門の役割の構造的な変化

(1)SharePointのような情報系システムの分野では、もともと「ユーザー企業どうしの情報交換会」が効果的

導入しておしまいではなく、導入してからがスタート、なのだが...

 企業内情報システムを大まかに「基幹系」と「情報系」にわけて考えてみると、基幹系システムはシステムの稼働=プロジェクト完了である。たとえば、新規導入した在庫管理システムはその日から事前の要件定義のとおりに動き始め、その日から在庫削減というリターンを生み始める。
いっぽう情報系システムでは、システムの稼働は実は「道具の準備ができた」にすぎない。リターンを得られるかどうかは、社員ひとりひとりがいかに新しい道具を使いこなし、自らの業務生産性を上げていってくれるか、によって決まる。新システムをうまく使いこなせず、業務生産性が上がらなければ、リターンはゼロどころかマイナスになってしまう。「システム+使いこなし」の合計でナンボの世界なのだ。
つまり、情報系システムの導入は、基幹系とは根本的に異なる考え方をする必要がある。
ところが実際には、この違いを正しく認識しておらず、十把一からげにしている企業が非常に多い。情報系システムは、構築後の「使いこなし」の部分にもヒトとカネを十分に投入するべきだ、という認識すらない企業がほとんどなのだ。結果、システム構築などの「ハコ物」に予算を使い切ってしまい、「使いこなし」に回すリソースは残っていない、というケースが頻発している。

「クルマ」はあるが「教習所」がない

 例え話をすると、情報系システムとは「マイカー」のようなものだ。たとえピカピカの新車を買ってきても、運転免許(運転技術)がなければ乗りこなすことはできない。快適なカーライフを送ろうと思えば、高性能なクルマを手に入れることもさることながら、安全かつ楽しく運転する技術を身につけることが大前提である。
ところが、なぜか教習所が存在しない、のが現状なのだ。「クルマメーカー(=ITベンダー)」はクルマを作って売ることには熱心だが、教習には無関心。「運転技術?それはお客様が自分で練習してください...」という姿勢だ。一方ユーザー企業の側も、そもそも運転技術(=使いこなしのテクニック)が重要だという認識がないので、やはり教習には無関心だ。エンドユーザー部門は「いや、オレたちは業務をこなしたいだけで、クルマ(=IT)に詳しくなりたいわけじゃないからさ」と言う。一方、情報システム部門は「いやいや、私たちの仕事はクルマの調達でして、運転を教えることではありません」と及び腰。
そしてユーザー企業がそこにおカネを払おうとしない以上、教習所ビジネスをやろうというベンダーもなかなか現れない。教習(=使いこなしの推進)だけでは食べていけないため、この分野をまじめに手掛けているベンダーと言えばAbalanceくらいである。
結果、せっかくいいクルマ(=SharePoint)を高いおカネを払って買ったのに、うまく乗りこなせず、事故にあったり渋滞したり、というドライバーが続出しているのが、現状なのだ。

「使いこなし」のノウハウは横展開しやすい

 予算は乏しくベンダーもいない、となると、どうしたらよいのかと不安になる。ところがよくしたことに、実はこの分野は、情報の「横展開」が非常に効くところでもある。
まず、業種が異なっても、情報系システムの「よい使い方」はさして変わらない。要するに「人がPCに向かって情報をインプット/アウトプットする」という点が共通なのだから、当然かもしれない。たとえば今回BP研に参加されたローソン様とマツダ様は、基幹系システムについてはほとんど相容れるところはないかもしれないが、情報系システムではお互いの経験や事例から大いに学ぶことができる。
また、同じプラットフォーム(たとえばSharePoint 2007)を使っている企業同士だと、さらに深いレベルでの情報交換ができる。典型的なのは利用促進の妨げになるバグや仕様についてだ。ある企業が直面したトラブルは、当然ながら他の企業でも発生しうるから、そうした情報を事前に共有していけば、他社はそれを避けることができる。なにも同じ地雷を二度踏む必要はなかろう。

「他社さんはどうされてます?」

 実際、私たちAbalanceがSharePointユーザー企業とお話ししていると、「他社さんはどうされてます?」という質問をしばしば受ける。しかし、これはユーザーとしては当然の知恵である。もし他社がすでに同じような課題に取り組んだ先行事例があるのなら、まずそこから素直に学び、その上でさらに自社独自の要素を付け加えてアレンジしたほうが、よほど投資対効果が高い。

BP研究会立ち上げ例会2 お客様の問いに対し、私たちもこれまでに知り得た範囲で、もちろん守秘義務に反しない範囲で「たとえばある会社さんでは、こんな工夫をしてうまく行っていますよ」とお話しはする。しかしAbalanceのような1社のコンサル会社が「知り得た範囲」などたかが知れているし、やはり我々から直接はお話しできない類のお客様情報も多い。
それならいっそのこと、お客様どうしで直接情報交換をしていただく場を作れば、お互いに有益な情報交換ができるのでは、と考えた結果が、BP研究会なのである。「他社さんの知恵と経験」を効果的に交換しあう場としてのユーザー情報交換会にニーズがあるのは当然であろう。


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