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情報共有ツールは本当に必要か

情報価値とは何だろうか。近頃、情報氾濫などが騒がれ、社内で検索エンジン、情報共有ツール等が導入され社員向けに用意されている。もっと進んだ企業はSNSツール等の導入検討等が進んでいる。果たしてここまで過保護な環境が必要なのだろうか。

■有益な情報はツールがあっても簡単には入手できない

私が働き始めたころはメール等もなく社内は歩いて情報を聞きにいく相談しにいく、そして先輩や後輩の顔色を見ながらコミュニケーションをし、必要な情報を収集し、時には大変な思いをして社内に特別なルートを作り、大事な情報を収集した記憶がある。今の若い人が聞いたらスパイではないかと思うだろう。
確かに昨今は情報が氾濫している、しかしその中には必要な情報もあればゴミのようなウソみたいな情報も流れている。特にインターネットの世界ではその傾向が強い。そして社内においてはその昔キングファイルを見ればよかったが、最近は電子化に伴い物理的に見えなくなった分、①読まなくてはいけない情報②知って自分に得する情報等がどこにあるかが分かりづらい、探しづらい 状況になっている。
前者(①)においては当然ながら読まなくてはならないので、会社で保管場所やアクセシビリティを快適にしてもらうとして、後者(②)はどうだろうか。もっともっと社内を歩きまわり人脈を作る努力をして有益な情報を入手することや相手にとっても有益な情報を与えることをしてもよいのではないかと思う。人間同士のコミュニケーションから仕事の貸し借りの世界があって、その次のステップとして「皆の役に立つのならボランティアで公開しよう!」となるのが理想ではないかと思う。こういう情報こそ役に立ちそうな情報だ。

そもそも有益な情報はそう簡単にはもらえないものであり、その苦労を知ったうえで、公開をしてもらい、そして皆が感謝するというサイクルを作るべきではないだろうか。ただでさえ、この20年大半の企業は業績悪化により投資を抑止し、社員は業績悪化により、隣の席の人の事など考えるゆとりが無かったのではないだろうか。
そんな中では情報共有等は進みづらい。今後も業績が特段に伸びる要素が少ない中ではやはり社員は自分の事ばかりを考えがちである(それは仕方がない)。効率を図るうえでツールも確かに大事であるが、ツールがあればすべてを解決する気が全くしない。有益な情報は足で探し、コミュニケーションをはかりながら、入手する努力をするべきで、もっと言うと誰がどんな情報を持っているかは社内で知っていておかしくないはずだと思う。(少なくとも昔はそうだった)その土台があったうえで、その次にどう効率化していくかという時に初めてツールを活用するほうがいいのではないかと思う。情報が氾濫し、安っぽい情報が増え、真に有益な情報はまだまだ底に眠っている。


■コミュニケーション能力とITリテラシー

私の独断であるが、比較的「ガンダム世代(-42歳以上)」は縦組織(軍隊的)で生き抜いていくことに慣れている気がする、育った時代背景もあるが、それでよかった時代だ。多少の矛盾は承知で空気を読みながらコミュニケーションをとっていく、なのでツールでだけではなく効率は悪いが効果が比較的高いと思われる「ノミ(飲み)ニケーション」のようなリアルなコミュニケーションが必要であり鍛えられている。
一方で「ワンピース世代(30歳以下)」が育った時代はバブル崩壊、就職氷河期等、我々バブル世代(実際にはそんなに恩恵は受けてないつもり)と大きく違い、勢いのあるリーダーやヒーローが身近におらず(例えいたとしても夢物語)ワンピースのように仲間同士で手を取りあって、生きてきた気がするし、仲間が大事なのではないかと思う。

そんな中で並行してインターネットの発達によりmixi等のSNSが莫大なヒットとなり、仲間の延長の感覚かつツールでコミュニケーションが得意になったのではないか、逆に言うと特に階層のある中でのリアルなコミュニケーションが苦手なのではないかと推察する。「ガンダム世代」はITリテラシーが低く、非効率だが対面での密なコミュニケーションを得意。「ワンピース世代」はITリテラシーが高く、少々希薄だがバーチャルでの合理的なコミュニケーションが得意。この2つがうまく融合していくことが理想だと思う。


■目的や体制が重要

最近のソーシャル系のツールの傾向として、簡単かつ気軽にコミュニケーションができるる、かつそれで用が足りてしまう便利なツールが山ほど出てきている。特にマーケティングツールとして人気を誇っており、ソフトバンクの孫正義氏などは有効に使っている。
しかしその逆は社長が思いつきではじめ、ただ、ITリテラシーのある若手がひたすらコンシュマー相手に目的も分からず対応し、事故を起こしたり、体制が構築されていないが故に休日も対応を迫られて、社員が疲弊してしまう例などがある。これはツール先行で目的を持たないで始めて失敗してしまっている例である。コンシュマー相手の場合、相手にする人数は無限大であるし、発言する内容も想定がつきづらいのでリスクが高いが、社内であれば試験的に小さく初めて大きく育てることができるのではないかと思う。


参考情報

  • Abalanceではナレッジマネジメント成功の秘訣として「9プラクティス」を提唱していますので、ぜひご参考ください。
9プラクティス


(取締役 副社長 市瀬 厚)

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